ドレスデンの歌劇場『ゼンパーオーパー』を見学してきました。
ザクセン州立歌劇場(Sächsischen Staatsoper Dresden)は、ザクセン王国の首都ドレスデンに宮廷歌劇場として建設されました。
1841年完成。
歌劇場建築専門のドイツ人ゴットフリート・ゼンパー(Gottfried Semper)の設計で、イタリア初期ルネッサンス様式建築です。
- 1869年:ガス管修理からの火災により初代ゼンパーオーパーはほぼ全焼。
- 1878年:盛期ルネッサンス様式の第2次ゼンパーオーパーが開幕。
- 1945年:米英軍によるドレスデン爆撃で壊滅し瓦礫の山となった。
- 1977年:復興が始まる。
- 1985年:復興作業が完了、再開祭が催された。
- 1990年:東西ドイツが統一された事により、州立歌劇場となった。
- 2002年:ドレスデン大洪水で大きな被害を受けるも、翌年再開。
館内をガイドツアーで見学できます。
立ち寄った時間がちょうどツアーの始まる時間前だったので、ガイドツアーに参加することにしました。
写真撮影許可のシールを貰って館内の写真を撮ることが出来ました、画像も交えてガイドツアーの内容を少し紹介します。
入ってすぐのエントランスホール。
木製の壁に見える部分、実は木材は一切使用しておらず、手書きでペイントされたオーク木模造壁なんですって。
触ってはいけないと言われたので、ごくごく近づいて見てみましたけどどう見ても木肌にしか見えなくて、その緻密な描出の技術に驚くばかり。
アーチの天井画も優美です。
上階ロビーに上って来ました。
大理石のように見える柱の材質は実は石膏で出来た模造大理石。
ゼンパーオーパー館内で一番華やかなロビー。
弓型窓からゼンパーオーパー正面の広場Theaterplatzが見えます。
観覧席に入ります。
馬蹄型の観覧席は4階まであり、客席数は1323席。
天井には重さ1,9トン、高さ5m、幅4,2mのシャンデリアが垂れ下がっています。
その周りに描かれた婦人像は4つの演劇大国、ギリシャ、イギリス、フランス、ドイツを表しています。
舞台上部に設置された5分刻みのデジタル時計が見えますでしょうか。
ザクセン王の命により初代ゼンパーオーパーに設置されていたデジタル時計を代々継承復元したものです。
観覧席と舞台の間にあるオーケストラボックスは100人以上が演奏できるそうです。
1548年にザクセン選帝候により設立された「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」(Sächsische Staatskapelle Dresden)は世界で最も古い交響楽団のひとつと言われています。
ゼンパーオーパーで初演となった主な演目
・リヒャルト・ワーグナー
タンホイザー(1845年10月19日)
さまよえるオランダ人(1843年)
・リヒャルト・シュトラウス
サロメ(1905年12月9日)
エレクトラ(1909年1月25日)
ばらの騎士(1911年1月26日)
無口な女(1935年6月24日)
ダフネ(1938年10月5日)
私達を案内してくれたガイドさんが言うには、バレエや演劇のような演目は舞台に近い正面の座席が良くて、コンサートなどの音楽が主体の演目は音の反響が良い4階の舞台に近い左側の席が良いのだそうです。
なるほど。
と、ガイドツアーの大まかな内容はここまで。
正直な感想はと言うと、長男が一緒でなければこのガイドツアーは必要なかったかな、と感じました。
そもそも私はクラシック音楽やオペラやバレエをほとんど知らないのですよ。
だからワーグナーがとかモーツァルトがとか言われてもぼんやりとしか想像できない。
それでも、それでもですね、もし次回このゼンパーオーパーを訪れるならぜひ観客として何かしら上演されている演目を観るために訪れたい。
建築物としてのゼンパーオーパーが凄いのは分かったけど、やっぱりこの建物は歌劇場としてのハコなわけで、上演されている演目と一体になってこそ真の素晴らしさが伝わるのではないかと思ったのです。
上演されている演目も世界最高レベルであれば、いくらクラシックの蘊蓄を知らない私でも単純に音楽として芸術としての凄さは分かるはず。
そういった芸術を体感する場所としてのゼンパーオーパーを体験してみたいですね。
ガイドさんは、現代ではその日の午後にネットでちゃっとチケット予約して、服装もだいぶカジュアルな感じでみんな来てますよ~。って言ってたけど、まさかすっぴん、短パン、サンダルでは来る人はいないだろうし、料金もそれなり、敷居が高いことは間違いないんだけど・・・。
もし、ドレスデンに何泊かして、子どもを誰かが見てくれて、さらにお供してくれる誰かがいたら、そんな機会があったら挑戦してみたいと思いました。
本気の方はこちら公式サイトから演目のスケジュール、予約、購入が可能です。
ガイドツアーの詳細、予約は下の公式サイトから。
今はガイドツアーはほぼドイツ語のみで行われているようですが(英語は1日1回)、外国人観光客が戻ってくれば英語でのガイドツアーも多くなるはず。
以上、ドレスデン・ザクセン州立歌劇場『ゼンパーオーパー』でした。