田舎のネズミと町のネズミ

ドイツ ワイン街道 ワイン畑

日独国際結婚、私達夫婦をひとことで形容するなら『田舎のネズミと町のネズミ』です。

知ってますか?イソップ童話。

 

“道頓堀まで徒歩5分”の大都会にどっぷり暮らしたこともある私と、鉄道も郵便局もない田舎で生まれ育った夫は、国の違い以前に田舎と都会の生活様式の違いで誤解したり、話が通じなかったり。

 

お互いの当たり前が全くかみ合わなくて笑う。

 

大阪駅付近に5分も放置されるとパニック状態になる夫が大阪に住んだら、精神に病を抱える事が目に見えており、『田舎過ぎてクッソ退屈!』と悪態をつきつつも元気に過ごせる私が折れて夫の実家のある田舎に暮らしています。

夫だけでなく、子ども達にも精神衛生上良いのは義両親のサポートのあるこの田舎の村。

特に新型コロナウィルス対策で外出制限が出された後は『田舎暮らしで本当に良かった』と思いましたよ。

もし、大阪の洞窟のような暗くて狭い家に閉じ込められる生活だったら(私は平気だけど)子どもが耐えられなかったよね。

ドイツの家は古いけど中庭も裏庭もあるし、農場では子どもが思いっきり走り回ったりサッカーしたりすることが可能でした。

幼稚園や学校に行けなくて、友達と会えない寂しさを体を動かすことで発散出来たのは良かったと思う。

 

 

で、外出制限も解除されたし、天気もいいし、そろそろお出かけしても大丈夫かな?と思って日帰りのお出かけを計画したんですよ。先日。

しかし、当日は夫が車を使っているから車が無い。

自宅から一番近い駅まで約5キロ、どうしようか。

長男:「自転車で行ったらいいやん!10分で行けるよ。」

そうする??みんながそれでいいならチャリで行こうか。

 

私達が乗る最寄り駅から行先の主要駅へは午前中に1本だけ直行便があります。

それが9時半発なので、時間を多めに計って8時半に自宅を出ました。

パン屋で昼食を仕入れて、出発!!

駅までの道は私は知らないので、長男が先頭です。

日差しは強いけど、朝の冷たい空気の中ワイン畑の間を縫って走ります。

久しぶりの運動、はー しんど。

 

結果、電車乗り遅れたよ!!!

 

駅に着いて、自転車に鍵かけて、切符を買って・・・ホームに走っていったら目の前で電車が発車していった時の悲しさよ。

10分で行ける。と言った長男の言葉をうのみにせず1時間前に家を出たのになんでや!

次の列車は30分後、乗り換えがあるので、目的地に到着したのは当初の予定の1時間半も後でした。疲れた・・・。

 

もーーーー!!田舎嫌や!

車がないと牛乳ひとつ買いにも行けないし、どこへ行くのも遠いし、つまらん!退屈!しょーもない!

外食出来る場所がないから必ず自炊しないといけないのに、スーパーが遠いのはホント不便。徒歩で行ける距離にない

大阪なら電車なんて10分以上待ったことないし、電車は次々来るものだから時刻表見た事も無い。

車に乗る必要もないから長年ペーパードライバーで、ドイツで乗るようになってからも車の運転は大嫌い、運転が下手過ぎて出来るだけ車で出かけたくないのです。

完全自動運転、心より望む!!

この退屈な毎日の中の数少ない楽しみのひとつ『子連れお出かけ』がいちいちハードル高くて悲しくなります。

 

何が一番辛いって、この村に暮らす人達はみんな“田舎のネズミ”なので私のこの気持ちを理解してくれる人がいない事。

私以外の家族みんなが違う価値観で、自分ひとりが異端者であるというのは孤独ですよ。

あぁ、心の友カンちゃんに会いに行こうかな。

ドイツ人配偶者、都会暮らし、台湾人、2男児の母、というママ友カンちゃんはびっくりするほど話が通じるのです。

カンちゃんのドイツ人夫は“町のネズミ”だからそこはちょっと違うけどね。

カンちゃん一家が我が家に遊びに来た時は「ここでどうやって生活しているの??」とだいぶ驚かれましたが、自分でも驚くほどの田舎暮らしですよ。

 

まぁまぁ不便な福井県のとある場所に住んでいる私の母が我が家に来た時だって「ウチより全然いなか~WWW」と言っていたくらいですから。

田舎暮らしは私にも憧れがあって、こんな所に住んでみたいなぁ。という場所はあるんです。でもそれは『山が近い(スキーが出来る)』『温泉』『地元の美味しいものがある』など私の求める田舎とここはかけ離れていて、人生ってうまくいかないもんですよね。

 

今、私が一番大切だと思う『子ども達の幸せ』がここに暮らすことでなかったら、とっくに“町のネズミ”に戻っているだろうな。

 
などといじけていたら、今週末カンちゃん一家が遊びに来るんだって!!
ウェーーい♪
 
楽しみだ。