そりと言うと、雪が積もった斜面を滑り降りる遊びを思い浮かべますが、ヨーロッパアルプスではそり専用の本格的なコースがあり、スキーを楽しむようにそり滑りを楽しむことが出来るんです。
北米のスキー場でも見かけなかったし、もちろん日本でも聞いた事がありません。
きっとヨーロッパだけだと思う。
ドイツにも数カ所ありますが雪量が足りず、毎年幻となっているそりのコース。
主に、スイスとオーストリアのスキー場近郊にたくさんあるんです。
今回は、その中でも約6㎞の滑行距離を持ち、時には時速50キロもの速さでそり滑りができるとっておきのそりのコースを紹介します。
ソリ王国『Preda-Bergün』
Schlittelwelt Preda/Darlux-Bergün - 10 Kilometer pures Vergnügen
そりを滑っている間はスマホを落とすのが怖くて、動画も写真も撮っていません。ですが、実際にそり滑りをしている動画を見てもらうのが一番分かりやすいですかね。
このソリコースはスイスレーティシュ鉄道のプレダ(Preda)駅を始点に麓の村ベルギュン(Bergün)までの6㎞をそりで滑り降りる、独立したそり専用のコースです。
2020年は12月19日シーズンスタートだそうです。
おお!今日じゃん!
いいですね、スイスにお住いの方 羨ましいぜ。
時速50キロ以上も速度の出る箇所もありますが、そういった箇所は直線の視界の良い場所で、他は全体的に比較的緩やかなコース設計になっていて、そりの経験が無くても、小さな子連れでも挑戦できる理想的なコースです。
そりに座っていると視線が地面に近い分、体感速度はかなりのものになります、時速50キロなんてめっちゃ怖い~!!
ほんと楽しいです。
子連れや早いのが怖い人は自分で速度調節してください。
私はカーブの時、なぜかどうしてもドリフトしてしまい(そうしないと曲がれない!)それが逆に子どもに受けました。いや、怖いやろ!!
レーティシュ鉄道・世界遺産のハイライト『 Preda-Bergün』
このそりコースを滑るにはレーティシュ鉄道の Preda-Bergün間を列車に乗って移動するのですが、この区間は世界遺産に登録されている変化に富んだアルブラ線のハイライト!
岩肌沿いのトンネルをグルグルと走り抜ける列車行きもセットで楽しめちゃうのです。
そしてそりコースは線路の下を時折交差するように下るユニークなコースです。
滑っている時は列車を観察している余裕はありませんけどね。
出発はベルギュン( Bergün)から
レーティシュ鉄道のベルギュン駅です。
車の方は駅近くに大きな駐車場があります。(駐車料金1日5スイスフラン)
まずはここでそりのレンタルをしましょう。
そりのサイズやグレードによって値段は変わりますが、私達が行った時は2人乗りのそり1台が1日レンタル22スイスフランでした。
自前のそりを持ち込むことも出来ますが、滑りが悪いと楽しめないのでレンタルしている本格的なそりと同じものでないのなら借りた方がいいと思います。
プラスチックのそりは持ち込み禁止です。
コース始点の駅プレダ( Preda)で借りてベルギュンで返却することも出来ます。
そりのレンタル時にパスポートなど身分証明書が必要です、お忘れなく。
そりを準備したら列車でひと駅上のPreda駅に向かいます。
列車は、シーズン中は毎30分ごとに運行しています。
そり滑りを目的に乗車する場合は、普通に乗車する人とは料金が違いますのでご注意ください。
料金は公式サイトをご覧ください↓
www.schlitteln-berguen.ch
そりコースに入るのに料金はかからなくて、実質この列車の料金がスキーで言うところのリフト代みたいなものです。
Preda駅に到着!
奥に見えるのがそりレンタルのお店です。
私が行った2019年2月時点で、Preda駅の周りには何もないので飲み物や携帯食などは事前に用意したほうがいいでしょう。
写真でも分かると思いますが、この時なにやら建設中だったので現在はお店的な所も出来ているかも知れません。
そり滑りコースへ。
Preda駅から歩いてすぐ、そりコースの入り口がこちら。
ここから暫く平坦なコースが続くので歩いてそりを引っ張る人も多いです。3分程歩くと橋があり、そこからカーブの続く楽しいコースが始まります。
橋の所に信号機が設置されているので、ちゃんと青になっているのを確認してから滑りましょう。
大人と同じそりに乗るなら、ヨチヨチ歩きが出来るようになった頃の赤ちゃんでも連れて行く事が出来ます。
小学生くらいになれば一人でも滑ることが出来るコースです。
ただ距離が長いので、離れてしまった時にどうやって待ち合わせをするかは事前に決めておいた方がいいと思います。
事故の可能性もあるので、子どもと滑る場合は保護者が子どもの後ろを滑るようにした方がいいですよね。
終点 ベルギュン村
コース終点はベルギュンの村の外れで『ここまで』という看板が出ているのでだいたいそこで待ち合わせする人が多いみたい。
そこからベルギュンの村の中心を通ってまた駅に戻るまで徒歩で約20分くらい。
ベルギュンは小さな村ですが、グラウビュンデン州の山間の典型的なスイスの村で街並みがとっても可愛いです。
ドイツ語、ロマンシュ語圏ですが、英語も通じます。
冬はアイスバーなども臨時で出店しているので休憩をとるならベルギュンがおススメ。
無人の軽食スタンド。
コーヒーやホットチョコレートの他にパンとウィンナーなどの軽食が用意されていました。料金は箱に入れるシステムなので、スイスフランの現金を準備しておいてください。
ベルギュンには小さなスキー場があって、宿も豊富にあります。
こんな可愛い村で冬の休暇を過ごせたらいいだろうな。
そり王国『bergün』アクセス
チューリッヒ方面からならまずはグラウビュンデン州最大の街Chur(クール)を目指してください。
クールからは鉄道利用で約1時間半です。
レーティシュ鉄道アルブラ線は、そのまま高級スキーリゾート・サンモリッツに接続しています。
サンモリッツからは鉄道で約30分。
車の方は、どの方向から向かっても雪か氷のグネグネ道になります、充分注意してくださいね。
そりを楽しむための装備
基本的にスキーの時の服装で問題ありません。
ですが、靴はスキー靴はNGです。スノーボードブーツで特別な金具がついていないなら、ボードブーツがいいと思います。
そうでないならしっかりと深さのあるウインターブーツは必須です。ゴム長靴は脱げやすいので避けた方がいいと思います。
規則ではありませんがヘルメットもあった方がいいでしょう。特に子どもにはヘルメットは用意してあげた方がいいです。
ゴーグル、手袋も大切です。
スキー用でなければモーターバイク用の装備でもいいと思います。
ちゃんと傷害保険には加入していますか?
準備が整ったらあとはそりに乗って滑り降りるだけ。
ここでしか体験できない、わっくわくの冬を楽しんでください!