何が正しいかなんて分からない。

家猫

さて、このブログにちょいちょい遊びに来てくださっている方はご存知だと思いますが、私達家族はこの冬日本に行っておりました。

そして、3月中旬になってドイツに戻って来ました。

 

日本に居ても義実家とはスカイプなどで頻繁に連絡を取り合っていまして、私達がドイツに戻る1週間ほど前になって義母と夫が緊急会議を行いました。

 

義実家に村長がやって来て「私達家族がドイツに帰って来るときには空港まで車で迎えに行って、村まで連れ帰り、そのまま2週間の自宅隔離を実行しましょう」と要請があったそうです。

それに憤慨した夫が抗議しても、見かけは要請、提案だが実質は強制的な事で、受ける立場の私達に断る権利はない、との事でした。その時点で、ドイツ政府として帰国者の隔離は実施していません。

 

「なんで村長が僕ら個人的な家族旅行の詳細を知ってんねん。」

 

--時間を遡る事、約1カ月。

横浜に停泊していたクルーズ船で感染が広がり、日本は中国本土以外の地域で感染者数が世界一多かった時期があります。

ちょうど同じ頃、我がドイツの村のたくさんのお宅に我が子達からの『やぁ!君たち元気にしているかい?僕たちは今家族で日本に来ていて、楽しい時間を過ごしているよ。また、ドイツに戻ったら遊ぼうね!』という能天気なハガキが続々と配達されたのです。

長男も2週間の冬休みを更に2週間延長するために、学校に書面でかくかくしかじか日本に行きますので2週間学校を休みます。と報告していたし。

 

「迎えに来るって言ったって、僕たちが到着するのはミュンヘンだよ。そこから車で走ったら片道5時間近くはかかるよ」

 

「そうなの?ミュンヘンなの?じゃあ村長にもう一度聞いてみるから、詳しいフライトの詳細を教えなさい」

‥翌日‥

「村長はミュンヘンまで行けないから、私が迎えに行きます」

 

「それ、ちょっとおかしいんじゃないの?なんでママ(義母)がミュンヘンまで行かないとダメなの?それに、僕は帰国した次の日から仕事だよ。2週間の隔離なんて無理だから」

 

そんなやり取りを続けているうちに、ドイツの感染者数が日本の感染者数をあれよあれよと上回り、我が村の長も

 

たかだかおめーら家族にかかっている暇はねーよ。

 

となったのかどうか、当初の予定通り私達家族のドイツ帰国は叶いました。

 

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 私と子ども達は、その後の休校と外出制限措置に合わせて隔離とあまり変わらない生活にはなりましたが、夫は帰国後すぐに仕事に戻って忙しく過ごしほとんど家にいない、というコロナ以前と同じ生活を送っています。

 

ここで私が何を言いたかったかというとですね、各国政府、各自治体、各個人がいろんな対策を実行していますが、その全てがその時点で正しくて有効だったかという事はこの事態が完全に終息するまでは分からないのではないかと思うんです。

 

現在はドイツも制限緩和に切り替え、疲弊してしまった経済を立て直そうと躍起になっています。最高レベルの医療を施しても助からない弱者は切り捨て、集団免疫の獲得を目指しているように感じます。

スウェーデンは集団免疫の獲得を目指す戦略を明確にして、世界がその効果を注視しています。

ブラジルやアフリカのいくつかの国は、多大な人的被害を前提に集団免疫の獲得を目指しているようです。

 

この新型コロナウィルスは、一度感染した人が抗体を獲得して、再度感染することがなくなるのか、まだ確実なことは分かっていません。

 そして、制限緩和を実行したとたん感染が再拡大していますね。

韓国でもドイツでも。この感染症は本当に厄介。

 

対して台湾などは“感染させない事”“感染が広がらない”事を目安に感染を封じ込めているように思います。

この場合は、亡くなる人は少なく出来るけども有効な治療薬やワクチンが出てくるまで鎖国状態を続けなければならず、経済復興の出口が見えません。

 

日本は未だ感染の波が落ち着いておらず、医療体制も逼迫している中でいつ終わるか分からない自粛に耐えている状態ですよね。

確かに日本政府の新型コロナウィルス対策はスピード感がなく、もたついている印象です。

でも、もしこのまま死亡者数が低いまま終息の日を迎える事が出来れば“うまくやった”

方に入るのではないでしょうか?

超ミラクル優等生の台湾とは比べ物になりませんが、震源地だったのに一抜けの中国や、今は評価の高いドイツと比べても重症化や死亡率は桁違いに低い水準です。

 

 

もちろん、未来の世界からこのコロナ騒動を振り返った時、失われた人命の数字だけでなく経済的損失も合わせて総括されるでしょうし、それは各国の置かれた状況、対応力にも差があるのでひとくくりには出来ません。

 

私は新型コロナウィルス対策において、日本は比較的うまく対処している方だと思います。

政府の対応がちょっとアレでもなんとかなっているのは、日本人の自制心の高さや、健康的な生活習慣、衛生観念など元々ある国民性が良い方向に作用しているのだと思います。

だから今はなんとか踏ん張ってこのコロナ禍を乗り越えたい。

その先に、笑顔がある未来が待っていると信じています。