コロナ禍の夏休み㏌ヨーロッパ

ドイツ鉄道 アンスバッハ

世界各国で感染拡大が収まらない新型コロナウィルス。

 

ウィルスとの共存の時代に入って初めての夏休みが終わりました。(私の暮らす州では)

この夏休み期間中に、私ひとりで、家族と、車で、電車で、バスでちょこちょことお出かけをしました。

出かけた先はドイツ、フランス、オーストリアの3カ国。

私の住む村はフランス国境まで自転車で行ける距離なので、フランスにはまぁ近所にちょっと出かけた感覚ではあるんですが・・・。

そんなに大層に『旅行をした』と言えるほどは出歩いていませんが、私が感じたコロナ禍の夏休み肌感です。

 

まず傾向としては、『街より田舎』『都市より自然』『屋内より野外』でした。

世界中誰もが考える事は同じで、3密を避けて自然の中でゆっくり英気を養おうという人が多く、というかそう考えた人ばかりで、反対に自然豊かな田舎は人で溢れかえり3密どころか密々でしたね。

Obertraun

もともとドイツ人は自然豊かな場所で休暇を過ごす人が多いのですが、今年は普段は都市派の人もみんな田舎に行っちゃたからそれはもう大混雑!

ベルリンやパリの宿代が破格に安くなったらしいですよ。行けば良かったな。

 

さて、そんな人々の移動手段はと言いますと圧倒的に自家用車が有利。

まぁ、自然豊かな土地に遊びに行くとなれば荷物も大型になりますし、交通事情も良くないでしょうから車で行くのは必然でございますわね。

では、列車が空いていたかと言うとそうでもなかったかな。だいたいの路線で8割くらいの乗車率ではありました。

ドイツの列車って自転車を積めるので、自転車旅の方々が大変多かったように思います。

それでも例年の夏休みなら乗車率は120%くらいにはなる訳で、そこを鑑みると今年はやはり列車移動を避けていた人は多いのでしょうね。

 

そもそもコロナが怖いから旅行にいきません!という人も居たでしょうしね。

私のまわりでは居ませんでしたが。

若い人たちはともかく、リスク群と呼ばれる高齢者の旅行者もけっこう見かけたのが意外でした。

 

ザルツブルク

さて、出先で見かけた人々の振る舞いですが・・・。

まぁ、私を含めて、出かけているという時点であまり感染を恐れていないのでしょうけど誰もかれもがコロナに気を使って恐る恐る休暇を過ごしている。という風には感じませんでした。

カフエやバーでは人々が顔を寄せ合って至近距離でワイワイ話し込んでいるし、観光施設のチケット売り場などで2mの間隔をあけて並んでいる人など皆無!ひとりそんなこと守ってたらどんどん前に人が入って来るわ(笑)

決められたルールとして、公共の施設の中でのマスク着用や限られた空間への立ち入り人数制限などはありますが、あくまでも決まりだから従うといった態度で自分が感染したくないから自主的に対策をするんだ。といった人は見かけなかったですね。

 

例年、夏になると開催される様々な催し、イベント、フェス、パリピの集い、各家庭でのBBQなど、自粛されて中止になったところもあれば、規模を縮小して開催したり、ここぞとばかりプライベートでは集まったり。

何があっても行いたい人は実行するんですよ。

 

私が訪れた場所が観光で生計を立てているような土地ばかりだったせいか、地元の人もコロナ対策としての旅行の制限には反対の立場の人が多かったと思います。

日本人がこんなに歓迎されたことがかつてあっただろうか。という程、旅行者には来て欲しいみたいでしたよ。

 

夏休みも終わりに近づき、ドイツに帰る時の事。

その数日前に『国境にてドイツ入国者に対してPCR検査を行いますよ』と発表がありました。

オーストリアにいた私達は震撼して、『マジかよ それって国境混雑してえらい事になるんじゃね?』

協議の結果、少しでも混雑を避けるため夜中に国境越えを決行いたしました。

 

さて、いよいよドイツ入国の国境です。

子ども達はすっかり寝入ったようす。起こすん嫌やな。

検問では私達の前の車は10台ほど、しかし一台づつ検査している割にはドンドン流れていきます。

私達の番がきて、職員が夫に「どこで、何をしていましたか?」と質問。

夫は「山で登山です」と答えて、その後職員が車の中をざっと目視でチェックした後「行っていいですよ」と。

パスポートの確認すらされなかった!

検問所に10人ほどいた職員のうち2人くらいしかマスクしてなかったし、対応していた人だって全くのノーガード。

全ての運転者と開けた窓越しに50cmくらいの距離で会話するのに、ノーガード!

えー!!すごい勇気。っていうかあれか、もう抗体持っている人なのかな?

国境での水際対策だって、この通り骨抜きでありました。

 

後日、クロアチアに休暇に言っていた友人の話。

ドイツ入国の国境でやはり検問があり、PCR検査したんだって。

もちろん車で何時間も待たされて、検査も鼻の奥に棒を突っ込まれて脳天かき回されたかって言うくらい痛くて、子どもにも妊婦にも容赦なくって大変だったらしい。

で、検査結果はその5日後に判明だって。

その間も自主隔離なし、普通に過ごしていいらしい。

なんだそれ。

私には意味が分かりません。ドイツ政府保健省は何がしたいんだ。

 

全て私の主観で見てきた範囲も狭いですが、ドイツ語圏の他の地域でも状況はそんなに違わないのではないかと思っております。

という事で、ドイツで新型コロナウィルスが終息するのはまだ先になりそうです。