トーマス・マンの小説『魔の山』のモデルとなったサナトリウム(現在はホテル)がある場所、Schatzalp(シャッツアルプ)です。
ドイツ語でSchatzは宝、alpはアルプス。英語で"The Magic Mountain."とも呼ばれていますね、それを翻訳して『魔の山』としたのでしょうか。
ダヴォスの一番栄えているところからケーブルカーであがると、元サナトリウムだったユーゲントシュティールの優雅なホテルがあります。そこから上はクラシックなスキー場で、いつかの時代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚になります。
下界の賑やかさとは対照的な、上品なスキー場Schatzalpを紹介します。
Schatzalpへの行き方
DavosPlatzから比較的近くて、徒歩でもアクセスは可能。
ダヴォスのメインストリートPromenadeに沿って歩き、カジノがある裏手にケーブルカー駅があります。小さな標識を見逃さないようにしてください。
カジノ前にバス停があり、バスは頻繁に発着しています。Promenadeを走っているバスなら全て停車するので、あまり待つ事もなく乗れるでしょう。
車の方は駐車場がないので離れた所に車を停めて、そこからバスで来るなりしたほうがいいと思います。
場所がいいのに混雑とは無縁、閑静なスキーエリア
ダヴォスにある主なスキー場の中で、このSchatzalpはリフト券の共通利用に参加していません。ですので、Schatzalpで滑る時はここだけのチケットを購入することになります。(チケットは上の公式サイトを参照ください。)
そのせいかどうか、場所としては一番便利な場所にあるのにいつも空いています。
そして上の開けたスキーエリアは、Tバーリフトで設備が古い事もあり、全くの初心者や家族連れは少ないようですね。
しかしコースはそんなに難しいコースは無く、中級者であれば全てのコースを問題なく滑ることが出来ると思います。
自力で滑れない小さな子どもとタンデムで滑る場合は、ケーブルカーを降りてすぐの麓まで降りる青のコースがいいでしょう。
終着地点はケーブルカー乗り場に戻ってくるのではなく、Promenadeの東にたどり着くようなコースです。Promenadeではバス停が近くにあり、バスもすぐに来るのでそのバスに乗ればまたSchatzalpまで戻ることができます。
こちら同じようにソリのコースもあり、2.8キロのコースはダヴォスの中でも一番滑りやすいソリのコースです。
幼児とソリ遊びをするならここが一番おススメですね!
その他、スノーハイキングのコースもたくさんありますよ。
物語の舞台となったホテル
1924年に出版された、トーマス・マンの小説『魔の山』の舞台となった『ベルクホーフ』はこの建物がモデルです。
現在はホテルとして営業していますが、もともとは小説に出てくるようにサナトリウムでした。
トーマス・マンの奥様がここで療養していたので、トーマス・マンもお見舞いの為にダヴォスを訪れていたのですね。
宿泊客以外にも、カフェやレストランを利用して建物内部を見ることが出来ます。
場所はケーブルカーを上がってすぐ、標識が出ていますよ。
行ってみる価値ありのSchatzalp
ケーブルカー駅の前がカジノで、ダヴォスの一番華やかな所から一転ケーブルカーで山に上ると静かで美しい自然が待っている。そのギャップがいいです。
なぜかいつ行っても人気のないSchatzalpですが、スキー場としてとても面白いし滑りやすい、いいスキー場だと思います。
特に子連れスキーや3世代家族などに向いていますね。
スキーをしなくても、ホテルで優雅にランチ、その後ハイキングやソリ遊びなど、多様に楽しめるスキー場Schatzalpでした。