『Tempelhof Sounds』6月12日、3日目フェスの最後を結ぶのは『The Strokes』
最近になって、またバンド活動を活発化させたのに、コロナ禍の世の中になっちゃって今春からようやくツアーを周れるようになった『The Strokes』
待ちわびていたファンも多いことでしょう。
『The Strokes』のライブを一言で表すなら、“Julian Casablancasの一人漫才にThe Strokesの伴奏がついている演奏会”でしょうか。
とにかくジュリアンがぼやき倒す。
絶対シラフじゃないよね。
ライブが始まってそうそうにマイクスタンドに引っかかってひっくり返る、歌いながらヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
ステージの端まで歩いて行きたいけど、マイクのコードが足らず、コードがビンっ!と伸びきってしまい、それ以上動けなくなる。あはは!散歩中の犬か。
自分で絡めたマイクのコードをほどこうとして四苦八苦している時に、助けようと駆け寄ってきたスタッフに対して
J:「いい!あっち行って!・・うそ、愛してるよ。」
など 緊張感ゼロなステージ。
カラオケボックスで歌の上手い酔っ払ったおじさんを見ているみたいだった。
それが、『The Strokes』だから最高に面白い!
以下、フェスの〆にふさわしいメインステージでのジュリアントーク集。
「この前コロナに感染したから~ 上手く~歌えない~~」
伴奏が始まっているのに
「いやだ。まだ、歌いたくない。」
ファンが持っていた自身の数年前の顔写真のお面を奪い取り
「俺も昔はこんなイケメンだったんだよな~」
「スピーカーに貼っとこ♡ このライブの間ずっと見えるようにしとくよ。」
「ドイツ語って好きなんだよね。でも分かんないから、いつも真似事するだけなんだ。X△O/&+D^¥~VSHean◆!」
無駄にクオリティの高いむちゃくちゃなドイツ語の真似。
「ドイツの歌っていいのあるよね?なんかお勧めある?」
と、ファンに振っておいて
「え?何?まぁ、いいや 何言ってるか分かんない。」
「あの、ハリースタイルズの新曲良いよね?歌うべき?なんだっけ?なんて言う曲だったっけ?」
「“As it was”?」
で、歌わずに。
「期待し過ぎ。」
「大昔のEPの曲やろうか?」
伴奏が始まると
「んー そのEPと違う!」
後半は、ほとんど寝ころぶか座り込んで歌ってた。
しかも、客席にお尻向けて(笑
他のバンドメンバーは慣れた様子で、しゃべりの途中から伴奏をはじめてちゃんとライブが繋がるようにしていました。
そしてとても冷静。
ぐでんぐでんのジュリアンと対照的だった。
『The Strokes』のライブ行ったことある人、彼らのライブっていつもこんなん?
他のライブビデオ見ても、もうちょっと真面目にやってるような。。。
あんまりにもな箇所はカットしてるのかしら。
それとも、『Tempelhof Sounds』は調子が良かったのかな。
そんな状態でも歌唱は出来るのがやっぱり芸風なのかな。と思ってしまう。
ま、歌もけっこうグダグダな箇所ありましたが。
でもなぜか、その全てがいいんですよね。
名曲を熱唱! ではなく、めっちゃ力抜けてるんだけど、これこそライブでならでは。
ジュリアンのぼやきトークはその時限りで、同じトークはたぶん二度とない。
彼のトークを全て録画したかった。
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昔、大阪の劇場にお笑いライブを観に行った時の事。
漫才で出てきた大悟がベロンベロンに酔っぱらってたんです。
『千鳥』の大悟ね。
真っ赤な顔して、眼も完全に座っているような状態で。
もうね、その状態が面白くて漫才の内容が入ってこない!!
ノブが切れてステージ上で喧嘩になるんじゃないかと思ってハラハラした。
それも、ちょっと期待した。
その日は他に、ロザンやジャルジャルなんかも出演していたけど“酔っ払い大悟”が強烈過ぎて他は全て霞んじゃった。
忘れられないライブです。
『The Strokes』もそういった意味でファンの期待に応えるライブだったんだと思う。
だって、また観たいと思ったもの。
あんな面白い楽しいライブないわ。
私の近くにいた女子は「The Strokesのライブはこれで18回目」って言ってた。
うん、そうなる気持ち分かる。
ライブのセットリストは主に最新アルバム『The New Abnormal』からの曲が中心で昔のヒット曲と半々でした。
ベルリンの音楽フェス『Tempelhof Sounds』の大トリにふさわしい『The Strokes』のライブでした。
【番外編】
ジュリアンがドイツの歌で何がお勧めか聞いた場面で。
「Rammstein!」
「うわっ!Rammstein!?それ、ないわー。」
「NINA HAGEN!」
「おまっ!正気か!それをドイツ代表にすんなよ!!」
「NENA !」
「いや、もっと他にあるやろ!」
以後、延々と続く。
ファン同士のドイツの歌選手権がヒートアップしていました。